バレンタインとホワイトデーの甘い思い出

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最後のバレンタイン?

 私は、過去に遠距離恋愛をしていました。最初は距離なんて関係ないと考えていましたが、やっぱり遠距離だと次第に不満が出てきてしまうものです。つまらないことで彼と言い合いになり、気がつくと私は彼にこれまでの不満を言うだけ言って電話を切ってしまいました。仲直りがしたくてもどうしたら良いのかもわからず、やがてクリスマスもお正月も過ぎ、もしかしたらもうダメかもしれないと彼のことを諦めるようになっていました。

 ですが、バレンタインデーは私にとっては彼と仲直りをする最後のチャンスだと思いました。そこで、以前彼の誕生日に焼いて喜んでもらえたチョコレートケーキを焼いて、彼に贈ることにしました。バラのイラストが描かれたメッセージカードには、これまで謝りたかったことをすべて書いて、私はずっと返事を待ちました。バレンタインが過ぎても彼からの連絡はいっさいなく、きっともう心は離れていってしまったのだと、もう2度と戻ることはないのだと、私は彼のことは諦めることにしました。やがて、ホワイトデーの季節となりました。いつもなら彼からピンクのバラの花が届くのですが、もう届くことはないのだと思い悲しくなりました。

ホワイトデーのお返し!

 ホワイトデー当日、私の元に彼からピンクのバラが届きました。私は信じられず、慌ててメッセージカードを見ると、彼の字で「チョコレートケーキ、ありがとう。何度も電話をしようとしたけど、恥ずかしいからメッセージカードにした」と書かれていました。そして、自分も言い過ぎたと一言書いてありました。その年にもらったピンクのバラはいつも以上に美しく見えました。それから、私たちは以前と同じように毎日電話で話すようになりました。以前と変わったことは、お互いに我慢をしないでなんでも話すようになったことです。嬉しかったことも、嫌だったことも、それからお互いへの不満もすべて言うことにしました。時にはケンカもしましたが、以前よりも仲良くなった気がしました。

 彼が仕事を変えたことで、遠距離は解消されましたが、その後もバレンタインにはチョコレートケーキを、ホワイトデーにはピンクのバラの花束をそれぞれ用意するようになりました。あの時、諦めずにチョコレートケーキを焼いて良かったと思います。もし、あの時にチョコレートケーキを焼かなかったら、私は彼と仲直りをすることもなかったと思うからです。彼がチョコレートケーキを頬張る姿を見る度に、ケンカした時のことを思い出します。

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