思い出に残るバレンタインとホワイトデーの話

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 大学生の頃、私はコンビニでアルバイトをしていました。その理由は、憧れの先輩がそこでアルバイトをしていたからです。無口であまり話したことはなかったのですが、男女共に人気が高くて、私は告白をする勇気さえありませんでした。そんな私を見かねたようで、友人がバレンタインに告白したらと言ってくれました。バレンタインならもしもの時は義理チョコだと誤魔化すことも出来るし、先輩も重く感じないのではないかということでした。私は、悩んだ末に手作りチョコを贈ることにしました。手作りチョコとはいっても、溶かしたミルクチョコレートをマシュマロにくぐらせて、最後にレーズンを乗せるだけのシンプルなものでした。

 バレンタイン当日、私はアルバイトが終わった後に先輩を呼び出して、チョコレートと先輩が好きなブランドの財布を渡しました。先輩は受け取ってはくれましたが、かなり困った顔をしていたので、私はてっきりフラれたと思っていました。そうしたら、先輩が返事はホワイトデーにすると言って、そのまま帰っていきました。”  “ホワイトデーが近づいていくにつれ、私は不安になってきました。なぜならバレンタイン以降、先輩と言葉を交わす機会がほとんどなく、挨拶をしても先輩はいつも下向き加減で、何となく会話を避けられているような気がしたからです。ですが、はっきりとフラれたら私も諦めがつきます。ホワイトデーが来る頃には、私の覚悟も決まっていました。ホワイトデー当日に私は先輩に呼び出され、近所の公園へと向かいました。すると、綺麗にラッピングされた包装紙をくれたのです。中には、小さくて可愛いピンクの財布が入っていました。そして、近所で美味しいと人気の洋菓子屋さんのクッキーももらいました。

 先輩からの返事はOKでした。私を驚かせるために、わざと暗い表情を作っていたそうです。後から聞いた話では、バレンタインの時に数人の女性からも告白されていたそうですが、それでも私を選んでくれたのは、手作りのチョコだったからというものでした。他の人は確かに有名なチョコレート店の物だったり、高級感が強い物が多かったようですが、私のチョコレートが一番印象に残ったと言ってくれました。形はあまり良くはありませんでしたが、一生懸命作ったのがわかると言ってもらえて、作ったかいがありました。あの時、もし手作りチョコでなかったらきっと気持ちは伝わらず、後悔していたと思います。あの時、背中を押してくれた友人には本当に感謝しかありません。

 

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