バレンタインとホワイトデーに起きた小さな奇跡

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 私が幼いころからずっと好きだったのは、同じ年の幼馴染でした。小さいころから一緒に遊んだり、家族ぐるみで楽しく過ごしていました。幼稚園は違うところに通っていましたが、小学校から中学校、高校と同じ学校で青春を過ごしていた仲です。彼は幼いときから優しくて、とても頼りがいのある人でした。私が困っていたときにはさり気なく助けてくれたり、勉強で分からないことがあれば優しく教えてくれるような完璧な人です。

頭も良くてスポーツも出来る彼は女子からも人気で、高校生のころには何人かに告白されていたようです。告白してくる女子はみんな可愛くて頭も良く、積極的で誰もが認めるクラスのマドンナ的な存在ばかりでした。そんな様子を遠くから眺めていた私は、当然告白する勇気なんて少しも湧きません。遠くから見守っているから十分、幼馴染としての仲を壊したくないと思っていました。何度か告白されているうちに彼も気になる子が居たみたいで、後から聞いた話によると付き合っていた人も居たようです。

そんな幼馴染としての関係を続けているうちに、転機が訪れました。彼は進学のために一人暮らしを始め、東京に住むことになったのです。幼いころからいつも一緒で、家に行けば会える関係が無くなってしまうと心がざわつきました。一生懸命受験のために勉強していたこと、夢に向かって頑張っていたことを知っていたので、「行かないで」という一言は胸の奥にしまっておきました。涙を堪えてエールを送ったことは今でも忘れられません。東京に行ってしまって大学も別々になり、ほとんど彼との接点は無くなりました。彼のご両親とは道で会えばお話しする程度で、彼の噂も友達から少し聞く程度です。もう会えないのかもしれない、もう告白することも出来ないかもしれないと諦めていました。

そんなとき、ひょんなことから彼と再会します。それは二人が社会人になったばかりの冬のことです。高校の仲が良かった人たちを集めて、飲みに行こうと友達が誘ってくれました。その飲み会に彼が居たのです。顔を見た瞬間心臓が止まるかと思いましたし、何より会えたことが嬉しかったです。ちょうど地元に帰って来たタイミングで飲み会に誘われたこと、今は彼女は居ないことを聞きました。お酒の勢いもあって「彼女に立候補しようかなぁ」と冗談混じりに言ってみたところ、何だか彼はドギマギしている様子に。びっくりした私はたまたま翌日に控えていたバレンタインに思い切って彼が帰っていた実家を訪れて呼び出し、チョコレートを渡しました。緊張していて覚えていませんが、おしゃれな地元のカフェで真剣に付き合ってほしいこと、幼いころから好きだったことを一生懸命伝えたような気がします。その話を真剣に聞いてくれた彼の姿に感動したのは覚えています。

彼の口からはすぐに返事はなく、考えさせてほしいということでした。これは振られた、もう会えないのかなと本当にショックでした。しかし、1ヶ月後のホワイトデーに突然彼は私の目の前に現れます。仕事帰りの私を待っていてくれて、職場の近くまで迎えに来てくれてたのです。その手には大きなプレゼントと小さな花束が。驚きと嬉しさで涙が止まりませんでした。そんな私を優しく抱きしめて、付き合って下さいと言ってくれた彼は今では大切な婚約者です。

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